クリニックBLOG

2017年10月20日 金曜日

マダニ感染症「犬から人」初確認

先日のニュースです。
「厚生労働省は10日、飼い犬と接触した徳島県の40代男性がマダニが媒介する感染症『重症熱性血小板症候群(SFTS)』を発症していたと発表した。犬からヒトへの感染事例が明らかになるのは世界で初めて」
以前、野良猫に噛まれて発症した方のニュースがあり、そのときも驚いたのですが、今回は噛まれての感染ではなかったようです。

今年6月上旬に男性の飼い犬が発熱、下痢などが続いたために動物病院を受診しました。症状からSFTSを疑った獣医師が専門機関に検査を依頼し、同月末にSFTSと診断されました。男性も同月中旬に同様の症状で体調を崩しており、医療機関を受診していましたが、1週間ほどで回復。9月に国立感染症研究所(東京)で血液を調べたところ、SFTSを発症していたことが分かりました。男性はマダニにも噛まれておらず、体調を崩した犬の看病でウイルスに汚染された唾液などに触れ、感染した可能性があるとの事でした。

SFTSは2011年に中国の研究者らによって発表されたウイルス性感染症です。これまではマダニが媒介する感染症として「マダニ⇒ヒト」の感染ルートがよく知られていました。ヒトが感染すると1~2週間の潜伏期間を経た後、発熱・消化器症状(食欲低下、下痢、嘔吐など)・意識障害などの神経症状、出血症状などが見られます。犬や猫における症状も同一だと考えられていますが、ヒトの場合で致死率が高く、10~30%程度と言われています。現時点では、特効的な治療法はなく、ワクチンも開発されていません。
「マダニ⇒犬猫⇒ヒト」の感染ルートが確認された現在、私たちはより注意していかなくてはなりません。

予防法としては
○ヒトのダニ予防:草原、藪、山林に入る事を極力控える。入る場合は皮膚が露出しない服装で。
○犬猫のダニ予防:動物病院で処方されたノミダニ駆虫薬を定期投与 猫は完全室内飼い。
○野良猫との接触に注意:野良猫=危険ではありませんが、怪我をしないように注意を。

もしマダニに噛まれてしまったら、無理に引き抜こうとせず、医師(皮膚科)・獣医師の診察を受けてください。強く引っ張るとマダニの一部が外れて、体内に残ってしまい、化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあります。

マダニに噛まれたら必ずSFTSに感染するという訳ではないですが、用心はしすぎるに越したことはありません。






獣医師 松田知子

            







投稿者 くりの木動物病院

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