内視鏡外来

内視鏡検査

消化器病の検査診断に非常に役立つ検査が消化管内視鏡検査です。
当院では動物用内視鏡を用いた検査治療を行っています。下痢や嘔吐、誤飲・誤食などでお困りがありましたらご相談ください。

一般に胃カメラといわれる検査が上部消化管内視鏡です。食道、胃、十二指腸、空腸近位までを観察することができます。
逆に肛門から内視鏡を挿入し観察する検査を下部消化管内視鏡検査といいます。直腸、結腸、盲腸、回腸遠位部までを観察することができます。

内視鏡検査の適応
①慢性的な下痢や嘔吐
②原因不明の低タンパク血症、低アルブミン血症
③異物の誤飲
④食道狭窄の拡張 など

慢性的な下痢や嘔吐(①)や原因不明の低タンパク血症、低アルブミン血症(②)がみられる病気には以下のようなものが挙げられます。
 

炎症性腸疾患 IBD
胃、小腸、大腸の粘膜に原因不明の慢性炎症が起きる病気です。「たまに吐いたり、下痢をする。」「便が軟らかい傾向がある。」「体重が減ってきた。」などの消化器症状が3週間以上続いている場合は可能性があります。

IBDは遺伝的な素因が関係していると考えられ、食物抗原や腸内細菌が病態へ関与していると疑われています。
ただし特異的な症状はなく、臨床経過や内視鏡で採取した粘膜組織の病理組織学的検査などによる所見を総合して診断する疾患といえます。






写真は罹患犬の十二指腸所見です。
内視鏡が粘膜を擦ると容易に出血し、粘膜の組織学的検査では粘膜下に炎症細胞であるリンパ球浸潤がみられました。



腸リンパ管拡張症 IL
腸のリンパ管は食物中の脂肪を吸収・運搬する働きがあり、そのリンパ管が異常に異常に拡張する病気です。
そのためリンパ管の流れが悪くなり、リンパ液が漏れ出したりして、脂肪やタンパク質の腸管への漏出が起こります。それにより慢性の下痢、低アルブミン血症、浮腫・腹水などがみられます。
リンパ管拡張症の診断は内視鏡による小腸粘膜の白色粟粒性病変の確認や病理組織学的検査が必要となります。





写真は重度の低アルブミン血症による腹水がみられた症例の十二指腸です。
病理組織学的検査により十二指腸粘膜下のリンパ管の拡張がみられました。



腸管型リンパ腫(高分化型リンパ腫)
胃腸粘膜にびまん性に悪性のリンパ腫が浸潤する病気です。
他の消化器疾患と同じように嘔吐や下痢などの症状がみられ、症状だけでは鑑別が難しいため、確定診断には組織学的検査が必要となります。
内視鏡などで採材した粘膜組織の病理学的検査、遺伝子学的検査などをもとに診断を行います。



食道・胃内異物

誤飲・誤食により食道内に異物が滞留している場合、内視鏡の異物把持鉗子を用いてとりだします。
また鉗子で取り除くことが困難な異物などがひっかかっている場合は、胃内までおしすすめます。
胃内の異物は様々な形状の鉗子という処置具を用いて取り除きます。



              写真は誤食による胃内のタオルです。



食道狭窄症
食道狭窄は食道内で様々な原因の炎症がおこることにより食道粘膜の肥厚が起こり、食道内径が著しく狭くなってしまう病態をあらわします。
内視鏡を挿入し、バルーンという処置具を挿入し、食道の狭窄部位で拡張させ内径を広げます。