椎間板ヘルニア

犬や猫の椎間板ヘルニアについて

犬や猫の椎間板ヘルニアについて<背骨と背骨の間にある椎間板は、クッションの役割があります。この椎間板が変性して軟骨組織の一部が飛び出てしまうと、椎間板の近くにある神経を圧迫して、足や腰に激しい痛みやしびれなどの症状が起こります。症状が悪化すると歩行が困難になったり、排泄障害を引き起こす場合があります。
中でも犬や猫の腰の椎間板ヘルニアは「家庭内の交通事故」とも呼ばれる危険な病気です。脊髄神経の中心部分が圧迫される為、人間に例えると交通事故による脊髄障害と同じように下半身に麻痺が現れます。症状によっては、緊急手術が必要な場合があります。首のヘルニアも緊急手術を必要とするものが多く注意が必要です。
当院は、状態によって手術を要すると判断した場合には、その日のうちに手術を行うことも可能です。下記の症状に気づかれたら、お早めにご来院ください。

  • 触られるのを突然嫌がったり、触ると痛がる様子がある
  • ソファーや階段などの段差を避けるようになった歩き方が変わった、ふらふらと歩く
  • 自力で立ち上がることが難しい
  • 失禁や排便困難

椎間板ヘルニアにかかりやすい犬種

ダックスフントやコーギー、ビーグルなど胴が長めで足が短い犬種に多くみられます。また、大型犬なども体重の負荷によって椎間板ヘルニアにかかりやすい傾向があります。特にダックスフントは、先天性の軟骨形成異常によって若いころから椎間板ヘルニアにかかりやすい犬種です。

椎間板ヘルニアの検査や診断

神経学的検査

神経反射や姿勢を検査して、体の麻痺を測定したり、脊髄のどこに障害があるのかおおよその検討をつけます。

レントゲン検査

椎間板ヘルニアはレントゲンで診断することは難しいですが、他の疾患がないか、背骨が曲がっていないか、椎間板が石灰化していないか等を確認していきます。

脊髄造影・造影検査

ヘルニアの部位を確認する特殊なX線検査です。腰の骨と骨の間に針を刺して脊髄の周りに造影剤を注入して椎間板の圧迫している部分を観察します。椎間板ヘルニアの診断率は95%と高く確定診断に役立ちます。

CT・MRI検査

ヘルニアの診断だけでなく、脊髄障害の程度や造影検査では見つけることが難しい疾患を特定するのに役立ちます。なかでもMRI検査は、重度の椎間板ヘルニアによって引き起こされる脊髄軟化症の診断が可能となります。

椎間板ヘルニアの治療

重症度によって治療法が異なります。

重症度 治療内容
重症度1~2 痛みや麻痺といった症状はあるが、歩行はできます。
この場合は、内科療法か外科療法が用いられます。
再発のリスクが少なく進行性のないケースでは内科療法で治療を行います。
重症度3 後ろ足が歩行困難な場合、内科療法か外科療法で機能の回復を試みます。
内科療法は、治療期間が長期間に及ぶため、歩行障害の症状によっては外科療法を選択します。
飼い主様と相談の上で、治療方針を固めていきます。
重症度4 歩行困難の重症度3からさらに進行して、排尿障害を起こしている場合は、外科療法で治療を行います。
重症度4のケースでは基本的に内科療法では十分な治療効果が得られない為、外科療法にて治療を行います。
重症度5 深部痛覚を失った状態では、内科療法による治療は効果がほとんど見込めません。
食道粘膜を保護して、炎症の改善を促進させます。
深部痛覚を失って48時間以内であれば緊急手術を行って50%ほどの治療効果が見込めます。
48時間以降では、手術の成功確率は非常に低くなります。
重症度5の場合、いかに早く手術を行うかが重要です。

椎間板ヘルニアのリハビリ

椎間板ヘルニアは、リハビリを行うことで回復率が高くなります。獣医師によるリハビリテーションやスーパーライザー(光線機器)を用いた理学療法に力を入れております。

スーパーライザー(光線機器)とは

光の中でも高い波長の近赤外線を、高い出力で幹部にスポット状に照射する治療器です。単一波長の半導体レーザーとは異なり、複合波長を有するので深層部まで確実に到達します。複数の波長と心地よい温度感で治療効果が期待できます。

再生医療・幹細胞移植について

椎間板ヘルニアの中で最も重症なケースでは、緊急手術を行った場合でも歩行機能が確実に回復するとは限りません。
そこで当院では、重症度の高い椎間板ヘルニアの脊髄再生医療を開始いたしました。脊髄の再生医療は、自分の骨髄や脂肪から幹細胞を取り出し培養して体に戻す『幹細胞移植療法』と呼ばれる治療法です。
再生医療・幹細胞移植について詳しくはこちらのページをご確認ください。

光温熱療法

腫瘍に対する新しい治療法

温熱療法と光線力学療法を組み合わせたもの
  • 温熱療法
    約45℃まで耐えうる正常細胞と比べ、約43℃で死滅するがん細胞の特性を利用して、熱によりがん細胞のみを壊死させる
  • 光線力学療法
    がん細胞に集まりやすい性質をもつ光感受性物質を投与して、レーザーを照射すると、それに反応し活性酸素が発生、がん細胞を壊死させる

特徴

  • 他の治療法と比べて、ほとんど副作用がない
  • 部位によって、全身麻酔ではなく鎮静下で行える
  • 他の治療法と併用することができる

どのような場合に有効?

  • 切除が難しい場所
  • 再発の可能性が高い

症例

血管周皮腫の犬にICG(インドシアニングリーン)を使用した光線温熱療法を行いました。

初診日:病理検査で血管周皮腫と診断

血管腫皮腫とは?
  • 犬によくみられる腫瘍の一つ
  • 四肢に発生することが多い
  • 転移率は低いが、腫瘍の根が深い(局所浸潤性が強い)ため、完全にとりきれず再発を繰り返 しやすい
  • 有効な化学療法は報告されていない
  • 完全切除が不可能な場合は、断脚が選択されることもある

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光線温熱療法実施 ICGを注入したところが緑色に染まっている
レーザー光がそこに集中するので周囲の正常組織のダメージを減らすことができる

6日目:レーザー光を照射した腫瘍の壊死がはじまる 

18日目:壊死した組織を除去 

45日目 

90日目:断脚の選択肢もありましたが、本人と飼い主様の頑張りで、肢を温存した状態で治療を終えることができました。

tel.045-367-9482料金はこちら
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